2009年4月5日日曜日

第九の波(イワン・アイバゾフスキー作)


第九の波   The Ninth Wave. 1853 

サイズ:221 x 332 cm ロシア国立美術館蔵 

作 者:イワン・アイバゾフスキー


 昨夜からの激しい嵐で、彼らの船は難破し、多くの乗員・乗客が海の底に沈んでしまいました。

 マストしがみついている彼らも、マストを離れこのまま泳いでいくことも不可能と悟り、死を覚悟しています。

 同時に、彼らは沈み行くマストに必死にしがみつき、この状況を脱し生き抜くことへの希望も捨てていません。

 折れたマストにしがみついている人々を、大きな波(第九の波)が今にも飲み込んでしまいそうな悲惨な状況にあるにもかかわらず、とても温かい色調で描かれ、また雲間から輝いている現れる朝の光が、この遭難している人々を、あたかも助かるのではないかと見る人に希望を与えてくれているようです。

 第九の波とは、船乗りの言葉で、荒れる海のなかでも他の波よりひときわ大きい波を指し、この波を無事乗り越えることができれば、この荒海から生還できるとの言い伝えがあるそうです。


インターネット美術館・インターネットギャラリー http://www.h4.dion.ne.jp/~mottod9/sub033arthistory.htm

肉筆複製画・絵画販売のワールドアートショップhttp://www.h4.dion.ne.jp/~mottod9/index.htm

0 件のコメント: